大人になってについて

いとこの家に遊びにいくと沢山のビデオテープが置いてあった。今の様に観たい番組を片っ端から撮り溜めしておくなんて贅沢なことは出来ず、本命のチャンネルの裏番組か、出掛けてしまってリアルタイムで放送を逃してしまうだろう時だけだ。なので他所の家に遊びに行ったときに観たい作品が撮ってあると、このチャンスは逃すまいと度々テレビの前に釘付けになっていた。

そのいとこの家はアニメがすごく多くて、はっとりくん、パーマン、ドラえもん、マリオ、ディズニーとずらりだ。中でも好きだったのがドラえもんのび太とリトルスターウォーズだった。その映画の主題歌が海援隊の少年期なのだけれど歌詞に「あぁ、ぼくはいつ頃大人になるんだろう?」とあり、歳を重ねる度いつだいつだと待ち構えていたけど、結局「ここだ!」と言う境界線もなく、気が付いたら大人になっていた。

正式には20歳になれば大人と定義され、さまざまな事が許されることになる。タバコ、ギャンブル、お酒、結婚、選挙権、(18や16のものもあるが)もうこれらが自分の意志で制御でき選んでいけるとして、そう信じて権利を与えられる。

ここに大きな違いが生まれると思う。子供の頃は周りの大人達が道を外れぬように制御してくれている。しかしこの頃を境に何も言ってくれなくなるのだ。まだ未熟な子供のままの子もいるというのに。

人は誰もが「自分の人生は正しい」とは言えない、価値観はそれぞれ違うし、正義は立ち位置において形を変えてしまうからだ。私も含め多くの人が「間違っているのではないか?」と日々自問自答している。だから20歳過ぎの人間に向かって「これが正しい」と言い切れなくなってしまうのだ。人生の岐路にたつ人に向かって「こっちの道が良い」と断言出来なくなってしまうのだ。

これから大人になり色々な人生の分岐点に差し掛かり、多くの選択を迫られるだろう。そんな時は思い出してみて欲しい。子供の頃どんなモノに心躍らせていたかを、どんな主人公になろうとマネをしていたかを。きっとそれがヒントになり、あなたをあなた自身が正しい道へと誘ってくれるだろう。

コメント

  1. geasow より:

    2000年代までビデオは現役でしたねー、中高時代は爆笑オンエアバトルを友人からビデオで借りてました。

    武田鉄矢がドラえもんの主題歌を歌っていたことを、今の子たちは知らないかもしれませんね。小宇宙戦争、リメイクはされなかったので陰の名作です。宇宙開拓史みたいなマイナーなのはやったのに(笑)スネ夫が光った作品ですね。

    何を以て成人したとするのか、私も分かりません。成人式で大喜利をやりかねん格好をテレビで目の当たりにする度に思います。歳を取ってしまったと、半ば他人事のように受動的です。オンエアバトルでしのぎを削っていた芸人たちは、今の私より遥かに若かった……憂鬱です(笑)

    • kotsubanmakura より:

      コメントありがとん
      ジャイアンばっかり「映画だと良いやつだよね」ともてはやされているので、
      スネちゃまはこの作品に懸けていたのでしょう 笑

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