続 転船業について

続いて先に述べた船員交代を具体的にどのようにして行っているかの説明になる。

まず外地から依頼のメールや電話が入る。この時点でデスクと言われるオペレーションをやるのであれば英語力がなければお話にならない。依頼を受けたら船がいつどこの港に着くのか確認する。横浜、東京、千葉、茨城、福島、秋田、青森、と東日本の港が我々のテリトリーとなる。着岸の日数は船のタイプにより異なり1日しか着岸をしなかったり、1週間いたりとまちまちだ。

次にその各港のルールを確認する。土日や夜間は交代ができなかったり、酷い所は午前中1時間、午後1時間しか立ち入れない。続いて官庁の確認、基本土日休みなので金曜日に必要な手続きを終えなくてはならない。

これらのチェックを終えフライトの提案に入る。フライトのチケッティングをするのは外地なので、日付けと時間帯を教え予約をさせる。1日しかいない船に対しては、着岸する1日前に日本に来させないと遅延した場合船がいなくなってしまう。1日前に来させホテルで待機させるのだ。これが2日前だと余計なホテル代が掛かってしまうので、プロとしてアジャストさせなくてはならない。ちょいと風が吹こうものなら船のスケジュールが遅れ、その都度また最初からやり直しになる。天候不良ならしょうがないが、外地サイドの書類の不備で船員が飛んで来れなくなったり、港が混んで着岸が遅れたりすると「こりゃー!」と思う。

いついかなる時も船又は飛行機の動きに変化があれば連絡が入るので対応しなくてはならない。向こうから連絡が入ればまだ良い、基本毎日のように港で船を管理している代理店に確認しなくてはならない。昨日も言ったでしょと煙たがられようとだ。

この手配を多い日で8隻ほどこなし、次の日の予定が夕方にようやくそれぞれの船の動きが確定してくる。そこから人と車の配置を考える。午前中から予想をしておくのだが、この段階で船の動きに変化があると組み直しになる。

そして夜間に風が吹くことなく、無事次の日の朝を迎えることが出来れば、次は現場の人達の出番になる。

他にも提出しなくてはならない書類の作成や、グレーゾーンに対しての問い合わせがあったりと大忙しだ。

実は1度失敗をして、「あぁ、失敗してもこんなもんか」ってのを味わってみたい。私はその経験がないのでプレッシャーが半端ない。失敗の経験は次にまたミスを犯さないように生かすものだが、重圧を和らげるといった意味でも役立つのだと思う。

まぁ、心配しなくてもいつか必ず失敗するでしょ。大胆でいよう。恐れずに。あんまり持ち合わせていないから、無くすものもそんなにないしね!

明日はいよいよ現場での仕事内容。我々の仕事はここが1番楽しんでやれるとこだ。

続く

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